新しい情報を得るために、いろいろなイベントや勉強会に参加させていただいていますが、そこでふと気づいたことがあります。とある企業の方がお話されているのを聞いていたときのことです。その前に宣伝会議のアドタイデイズなどでもお話を聞いていたのですが、どうも海外と日本ではマーケティングに違いがいあるようです。

日本と海外のマーケティングを比較する

ざっくりと日本と海外のマーケティングの違いを比較すると下記のようになるかと思います。PDCAを回して、販売促進のプロジェクトを実行するとなった場合を想定しています。

日本海外
計画入念な計画を立てる計画は大雑把に立てる
実行計画に沿って実行する計画の前に実行する
調査実行後のフィードバックは念入り反応が良いものをピックアップするだけ
再実行再度計画を立てて、実行する反応が良いものだけを実行する

例えて言うなら、日本は野球のバッターボックスに立つ前に念入りに相手チームの分析をして、一つの狙い玉だけをスイングするようなものです。逆に海外の場合は相手のピッチャーのことを先にそれほどデータを入れず、バッターボックスに立って打てそうな球が来たらとにかくスイングするようなものでしょうか。

日本のマーケティングは分析重視

まず日本のマーケティングですが、実行よりも分析を重視しているように思われます。実行する前に市場をセグメンテーションし、ターゲットとなる市場を決め、ペルソナを立てて、カスタマージャーニーを作ります。それに沿って、必要な打ち手を決めて、そのとおりに実行します。

最初に分析をするために、分析にかなりの時間をかけます。もちろんプロモーションの費用などは高額になりがちですし、どの企業も広告費を湯水のごとく使うことはできません。だからこそ一発必中のプロモーションを狙おうとする気持ちはわかります。

しかしその広告やマーケティング手法が確実に成果をだすとは限りません。失敗したときには「何がだめだったか」を振り返り、その内容を糧にして次の予算が取れたときに再度仕掛ける、といったことが多くあるのではないでしょうか。

海外のマーケティングは結果重視

対する海外のマーケティングは全く違います。そもそも計画などは欲していません。セグメントを分けて、ターゲットを絞って…といったことはしません。とにかくまず広告なりSEO用のコンテンツを用意して試していけ、という態度のようです。

例えばFacebook広告でのプロモーションを行うとした場合、とりあえずFacebook広告をすぐに出稿します。この時、並行していくつもの広告の種類を出します。Facebook広告の場合は広告を5パターン出すことができますし、広告グループで時間帯や地域、ターゲットを細かく決める事もできます。

なにはともあれ、まずは広告出稿です。そしてその結果を見ます。プロモーションの結果、調子が良かったものを採用して、悪かったものを他のものに切り替えていきます。特に広告については何度も差し替えることができるので、広告の成果が出ているものを残していきます。

仮設を立てて計画するということはないですし、成果が出ている広告についても「なぜ成果が出ているのか?」などを振り返ることはありません。成果が出ていればそれでいい、という考えているように見えます。

たしかにこの考え方はそのとおりだなと感じることがあります。例えばFacebook広告で猫のエサの広告を出すとしましょう。5つの広告を出して、猫が立ってエサを食べている広告の反応率が一番高いとします。これを「なぜこの広告の反応が高いのか?」と突き詰めることはありません。あくまで反応が良いという結果を受け止めて改善をするだけです。

デジタルだからこそできる高速の運用

日本と海外のマーケティングの差は上記のような違いがあるようですが、海外のようなやり方というのはデジタル広告・デジタルプロモーションだからこそできることです。

Google・Yahooのリスティング広告やSNS広告は管理画面をこちらで操作することができます。1日単位でも改善を行っていけます。予算が多ければ1日でもかなりのインプレッション・クリックが計測されるでしょうから、それを見て改善できるかと思います。

もしこれが4マス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)であれば、スピード感を持って改善することは難しいでしょう。テレビCMなどは制作にも時間がかかりますし、制作後に改善して放送するにも、トレンドも変わっているでしょう。

この高速でトライアンドエラーを行っていく海外の方法は、結局の所デジタル広告だからこそできることなのです。

結局どちらのほうが良いのか?

では日本のやり方と世界のやり方、どちらがよいのでしょうか?状況にもよりますが、デジタルプロモーションの場合は海外の方が圧倒的に良いでしょう。なぜ海外のほうが良いのかといえば下記のようなメリットがあります。

  • 素早く実行することができる
  • トライアンドエラーの回数が多いため、成功・失敗の蓄積が多くなる
  • 成功の蓄積が多いので、広告等の効果が高くなりやすい
  • 仮説を立てる・分析をするなどが必要なく、KPIだけを追えばいいのでシンプルで担当にも任せやすい
  • 広告費用が逓減していき、広告費用が安くなる

デジタル広告の費用が数万円しか使えないという場合には難しいですが、月間5万円以上の広告を1年間出し続けられるのであれば、圧倒的に効率的になっていくかと思います。何よりも何度もトライアンドエラーできるので、コンバージョン数に違いが大きく出てくるかと思います。

よくマーケティング業界では「PDCAを高速で回す」といいますが、デジタル広告の場面でも高速でトライアンドエラーを繰り返す事が大事でしょう。