情報収集の手段としては今や当たり前になった検索エンジン。Googleが主流ということで「ググる」なんていう言葉も当たり前に使われるようになっています。デジタルが出てくる前は図書館や辞書を使って調べていました。その後検索エンジンが登場し、どんどん便利になっています。

ですが実は今、検索エンジンから取って代わろうとしている情報収集の手段があります。それが#タグるというものです。先頭についている記号はハッシュと呼ばれるもので、このハッシュと一緒になった文字列「ハッシュタグ」から情報を収集するわけです。

詳しいことはこちらのシェアしたがる心理~SNSの情報環境を読み解く7つの視点~を御覧ください。

タグる10代は何を調べている?

ハッシュタグを使った情報収集方法ですが、実際に行っている層は10代、特に女子です。検索エンジンを使わずに情報収集としてSNSを開きます。10代の利用率が高いSNSはTwitter・Instagram・そしてTikTokです。この3つのSNSをスマホで起動し、ハッシュタグの検索をするのです。

GoogleやYahoo、bingなどの検索エンジンにキーワードを入れるのではなく、SNSの検索窓にキーワードを入れるようになったというわけです。

ただ、実はどんな情報もSNSでタグるかというとそうではありません。SNSを使ってタグるのはファッションや芸能人に関するものです。(参考:10代女子は“ググる”ではなく“タグる” 情報が多すぎる現代、若者たちはSNSをどう使っているのか )。ファッション・芸能関係がタグられている理由は下記のどちらかでしょう。

  • ファッションや芸能人に関するコンテンツはSNSと相性がいい
  • 10代の興味がある分野がファッション・芸能系

ここでポイントとなるのは、20代30代はSNSでは情報収集せずにGoogle・Yahooなどの検索エンジンを使っているのです。どうして20代30代はSNSを使わないのでしょうか?逆にどうして10代は検索エンジンを使わずに、SNSで情報収集しているのでしょうか?

検索エンジンはSEO対策されているから使わない

一時、話題になったGENKINGさんの発言をご存知でしょうか。「Googleなどの検索エンジンはSEO対策をされているから使わない」という発言です。

確かにSEO対策はされている企業が多いと思いますし、欲しい情報がすぐに出てくるかというと難しいキーワードもあります。まとめサイトが多く出て来ることも多く、検索エンジンもまだまだ発展途上と言えるでしょう。おそらく、SEO対策が10代が検索エンジンを避けて、SNSを使う理由なのではないかと思います

SNSももちろん検索窓はあります。ですから検索はしますが、情報を発信している人がわかります。Instagramであれば特に顔を出しているので、その分信用が高いのでしょう。さらにどの人をフォローするかを自分で決める事ができます。検索エンジンの場合、上から順番にクリックしていくと「検索エンジンに選ばされている」感があるのかもしれません。Instagramであれば上からではなく、自分が好きな写真・アカウントだけを選ぶ事ができるので、より能動的といえます。

ただ、SNSでも情報収集をする際に戸惑うときもあります。特にハッシュタグについてはハッシュタグをいくつもつけていたり、あまり関係のないハッシュタグがついていることもあります。加えてアカウントの中には商品紹介を一斉に行うなど、不自然なプロモーションに使われることもあります。下記のシャワーヘッドなどはわかりやすいでしょう。

#塩素除去シャワー

20代・30代はなぜ検索エンジンを使うのか?

今度は逆から考えてみましょう。なぜ10代はSNSなのに、20代・30代は検索エンジンを使うのでしょうか?一つのヒントにGoogleで調べられている2018年のキーワードランキングを見てみましょう。

2018年検索ランキング

こちらのブログに書かれているように、Google検索でもワールドカップやオリンピックなどが検索されています。芸能人の名前も非常によく調べられていますから、SNSでタグる内容と重複している部分も多いです。

さらにヤフーの検索大賞を見てみましょう。

Yahoo!検索大賞2018

こちらも芸能部門の検索は多いのですが、それ以外にも地方の検索も多くあります。高校の名前だとかイオンモールについて調べるなどされています。ロックインジャパンのようなイベントやスーパーなどのチラシを調べたりもしているようです。

20代・30代に限定はできませんが、検索エンジンではかなり幅広い内容が調べられています。芸能もやはり多く調べられていますが、SNSのタグる情報収集と違う点はファッションが少ない点でしょうか。ファッションはすでにSNSでの検索が強くなっているようです。

タグられないキーワードも多い

SNS内では、タグることでファッションや芸能などを情報収集している、ということがわかりました。逆に言えばファッションや芸能から遠い場合にはあまりタグる必要性というのがない、とも言えます。

ユニクロ・しまむら・プログラマーのタグ比較

こちら10代の女子がよく使うであろうユニクロ・しまむらのハッシュタグとプログラマーというハッシュタグをInstagramで比較してみました。投稿の差が激しいですね。ユニクロと島村は100万以上のタグがつけられていますが、プログラマーは1万弱しかタグが着けられていません。現在タグることをメインに行っている若者にプログラマーはさすがに刺さらないということでしょう。

さらに言えば、しまむらやユニクロのハッシュタグもこれだけの投稿があれば情報量も十分すぎるくらいです。投稿数が多いハッシュタグほど、タグるときに欲しい情報が見つかりやすいと言えます。これだけの情報があるからこそ、ファッションをタグることができるのでしょう。逆にプログラマーのように情報が少ないと、必要な情報が見つからないのでタグらないのではないかと思われます。

下記はGoogleのしまむらの検索画面です。なんと検索結果数が5450万件もあります。これ、全部を見ることはできませんよね。多すぎる検索数の場合、どうしても上から順番に見ていくしかなくなってしまいます。Googleでの検索を使わずにSNSのハッシュタグ検索を使うというのは、検索結果数が多すぎるということからも来ているのかもしれません

ちなみに、今はハッシュタグで100万台なので検索したときに自分の好みのコンテンツに行き着きやすいのかもしれません。ただ、SNSもシャワーヘッドのようにたくさんの広告コンテンツが入ってくる可能性があります。そうなればGoogleのように何百何千万という検索結果になってしまい、ハッシュタグも機能しなくなるでしょう。

そうなるのはもう少し先なのかもしれませんが。

タグる層のライフステージが変われば…

今は10代の女子が興味のある芸能・ファッションに関するものがメインでタグられていますが、今後タグる層がどんどん年齢を重ねていき、ライフステージが変わっていくころに、タグるというのが当たり前のようになっていくのでしょう。例えば賃貸、自宅購入、子供の商品、仕事・転職、老後、介護、葬式など…

ライフステージが上がっていくにつれてどんどんタグることが増えていくと思います。ですので、今は一部の10代女子向けのコンテンツだけですが、10年後にはだいぶタグることも多くなるのでしょうね。