セカンドチャンスではリスティング広告やSNS広告を使った売上拡大、採用支援などを行っております。そのため、よくプロモーション戦略についてのご相談をお受けします。もちろんご提案をさせていただきますが、その際にはマーケティングの基本に立ち返る必要があります。

マーケティングというとどうしてもこの広告戦略を考えてしまいがちですが、実は広告やプロモーションというのはマーケティングの一部でしかないのです。

マッカーシーの4P(マーケティングミックス)とは

マーケティングといえばフィリップコトラーが有名ですが、他にもたくさんの学者がフレームワークを作り出しています。その一つがマッカーシーの4Pです。今ではマーケティングミックスと呼ばれることも多い考え方です。

マッカーシーの4Pは以下の4つの単語、それぞれの頭文字をとったものです。

  • product(製品・サービス)
  • price(価格・料金・値決め)
  • place(流通・販路・チャネル)
  • promotion(広告・広報)

それぞれ4つの分野がすべてマーケティングであり、これらの戦略を相互にシナジー効果が出るように組み合わせる必要があります。つまり、4Pを考えながらマーケティング戦略を練らないといけないわけです。ですので広告・プロモーション戦略もその他3つの要素・戦略を前提に策定・実行される必要があります。

productが最初、promotionは最後

ちなみにマッカーシーの4Pを紹介している教科書を見ると、必ずproductから始まります。そして最後にpromotionで終わります。この順番はまず変わらりません。そしてこの順番というのは重要度の順番でもあります。

  1. 製品・サービスの魅力がなければ売れない
  2. 製品・サービスの魅力があっても価格が適正でなければ売れない
  3. 製品・サービスの魅力があって価格が適正でも、流通経路が適切でなければ売れない
  4. 製品・サービスの魅力があり、価格も販路も適正だと、広告の効果が初めて出る

このように広告・広報は最後に考えるべきことなのです。

広告を出す前に考えておきたいこと

マッカーシーの4P・マーケティングミックスを前提にし、広告を出す前に考えておきたいことは3つです。商品・価格・経路です。それぞれについて、セカンドチャンスが広告・広報の依頼を受けた時にどのように考えるか?事例を用いてご紹介します。

商品・サービスの本質的な価値を考える

まず考えないといけないのは商品・サービスについてです。商品やサービスが良いもので、消費者に選んでもらえるものでなければなりません。さらにそれらの商品・サービスの良い部分をしっかりと伝える必要があります。

とある全国展開をしている塾では、塾講師のアルバイトを募集する必要がありました。インターネット広告を使って採用をしたいということでしたが、ホームページが自社サイトしかありませんでした。自社サイトでも採用ページはありましたが、今回の採用に見合った内容ではありませんでした。

そこでまずはクライアントである塾の良い部分・特徴・働きがいなどがはっきりとわかるようなLP(ランディングページ)を作成しました。こちらのページですべてわかりやすく説明するようにしたのです。そしてそのページに対して広告をかけました。採用という目的を達成するため、特別なページを作って十分にターゲットである大学生に届けられるようにしたのです。

結果的に広告効果も出て、十分な人材を採用することができました。人材不足と言われる時代に採用がうまく行きました。単純に自社サイトに対してデジタル広告を出していても、効果は薄かったでしょう。塾というサービスのしっかりと説明したこと、productを見つめ直したことが成功の要因だと言えます。

価格は適正か?他社より安ければ売れる?

2つ目に考えないといけないのは価格です。値決めは経営という名言を稲盛和夫さんは残されていますが、価格は非常に重要です。他社よりも安くするのか、横並びにするのか、高くするのか。価格によって売上は大きく変わってきます。

DDTというプロレス団体はインディーズの団体ですが、かなり変わったプロレスをすることで、ファンの数を徐々に増やしつつあります。実はDDTプロレスは大田区体育館という4000人収容できる会場のプロレス大会で、入場無料の大会を行ったのです。

無料というのも一種の値決めです。本来だったら安くても3000円ほど、高いと1万円はするプロレス大会の値段を無料にしたのです。もちろんこの時点で売上はゼロですが、無料のプロレス大会というのは珍しく、多くのメディアがこぞって取り上げることになったのです。今まで、広告を何百万円とかけていたのが、無料にすることでメディアの側から取り上げてくれ、無料で広告できたわけです

プロレスは入場料だけでなく、グッズ販売も大きな収益の一つです。会場に足を運んでもらえればグッズを買ってもらえる可能性がグンと上がります。さらに次回興行のパンフレットを入れることで、次回の集客につながります。さらに無料だからと新規の顧客を集客することもできたと言います。広告を出すのは集客をするためだったわけですし、結果的に売上を減らすことにはなりましたが代わりに集客を無料で行うことができました。

詳しくは下記のダイヤモンドの記事を読んでいただければと思います。

DDTプロレスリングがビッグマッチを「全席無料」にした理由

広告の前に売る場所を加えるだけで大きく変わる

広告を出す前に考えたい最後の一つが流通・チャネルです。販売方法には訪問販売、店舗販売、ネット通販など様々あります。どの方法が良いのかをよく考えて実行する必要があります。

とある靴を製造・販売している企業はインターネットで様々な靴を販売しています。この企業は大阪にあるのですが、今までもあまり広告を用いたプロモーションを行ってきませんでした。しかしプロモーションを行わなくても、売上を大きく上げて、成長してきたのです。

なぜそのようなことが可能だったのかと言えば、それは流通・販売チャネルを適切に選択してきたためです。まだ家族で販売している時はヤフーオークションを使って販売していました。今で言えばメルカリで販売するのと似ています。商品登録も簡単だし、現金の回収などに頭を悩ませる必要も少ないため、商品製造・販売に集中できました。

そして売上が上がっていくにつれて、今度は出店費用の少ないモールに横展開していきました。ヤフーショッピングやアマゾン、そして最後には楽天市場にも展開しました。現在は自社サイトもあるのですが、自社サイトについては一番最後に販売を開始しました。

ECサイトを考えている人の多くは、最初から自社で大きなシステムを作ろうと思いがちです。しかし大きなサイトを作るには費用もかかるし集客も大変です。ブランディングも時間がかかります。しかしCtoCのメルカリやヤフーオークションであれば、集客やブランディングを考える必要がありません。ですから、リソースが少ない時点では非常に有効なのです。

自社の商品と価格、そして組織の状況に合わせて適切な流通チャネルを使ってきたことが、成功の要因だったといえるでしょう。

広告・プレスリリースでブランディング

マッカーシーの4Pで最後に来るのがプロモーションです。プロモーションが成功するには商品戦略、価格戦略、流通戦略のすべてが上手く機能しなければなりません。他の3つのPがうまく行けば、promotionの効果はグッと上がります。

ある企業では高級外車にターゲットを絞って修理を行っていました。日本車の修理ももちろんしますが、それ以外にも高級車の修理を行うことで利益率をアップしようと考えたのです。高級車の場合、日本車に比べて10倍を超える利益になるとのことです。

そこで専用のLP(ランディングページ)を作成し、価格を高級車の修理に合わせて安くはせず、持ち込みでの修理を行うというビジネスモデルをしっかりと構築しました。ただ、これだけではなかなかお客さんが来ないということもあって、リスティング広告を行いました。

結果、電話での問い合わせが月に10件を超えるほどになりました。もちろん全てが受注につながるわけではないですが、今まで外国高級車の修理に関しての問い合わせがなかったものがリスティング広告というpromotionで一気に爆発したのです。これも全てproduct・price・placeの3つのPを適切に設定したことで、最後のpromotionもうまく言ったのではないでしょうか。

広告を出したら売れる、なんていう時代ではない

右肩上がりの時代は広告を出すだけで物が売れたでしょう。今で言えばカンボジアやタイ、インドネシアなどはもしかしたら広告次第で物が売れるのでしょう。しかし日本、アメリカ、ドイツなどすでに成熟社会に入っている国では広告を出しただけでは売れません。おそらく中国でも今は似たような状況担っているのではないかと思います。

成熟社会に入っているからこそ、まずは広告を出す前に4P・マーケティングミックスについて考える必要があります。広告を最大限に活用するためにも必要なことです。ぜひご参考にしてください。