
新型コロナウイルスの影響から、フィールドセールスが難しくなりました。今までの対面営業からオンラインへの営業へ大きくかじを切らざるを得なくなっています。
そこで注目されているのがインサイドセールスです。インサイドセールスはリード獲得からクロージングまで、対面での営業を必要とせずに顧客を獲得できることから期待されています。現在ではIT系サービスを販売している企業を中心に、様々な業種に広がりを見せています。
インサイドセールスの失敗はなにか
ただ、インサイドセールスは導入すればすぐに効果が上がるというわけではありません。むしろインサイドセールスを導入して失敗した企業も多いかと思います。
そこでインサイドセールスについてよく見られる3つの失敗を取り上げたいと思います。
失敗する原因その1:目的・KPIの設定がおかしい
インサイドセールスで最も多い失敗は目的・KPIの設定が間違っているパターンです。例えばKPIを「商談アポの件数」にしているパターンは少なくありませんが、これだと営業担当者は「とりあえず商談すればいい」と考え、全く興味のないユーザーに対しても、雑談のような商談を持ちかけてしまいがちです。
商談を何件したかをKPIにしてしまうと、今すぐにでもほしい顧客への商談も、全く興味のないユーザーの暇つぶし商談(雑談と言っていい)も、同じ1としてカウントされてしまいます。
営業マンが何人の見込み顧客と話をしても、それがクロージングまでいかなければ、売上はゼロです。売上はゼロですが、営業マンへ給料は払わないといけませんから、会社としてはインサイドセールスを取り入れて損を出している、ということになります。
対処法:売上に近い部分をKPIに

ではどうすればよいのか?といえば、売上に近い部分をKPIにすることです。
一つの方法は成約率をキープすることです。クロージング・成約を行った件数を商談件数で割った数値を成約率とし、その成約率を下回らないようにすることをKPIとします。そうすればムダな商談で時間を潰す営業マンの行動を制限できるでしょう。
もう一つはリードナーチャリングと商談を別で考えることです。インサイドセールスを取り入れても、未だに「電話をかけてナンボ」「オンライン会議で顔を見てナンボ」という考え方は少なくありません。今すぐ客であるホットリードなら良いですが、多くはまだ検討段階にないユーザーです。
このような熱が低いリードには直接時間をかけてアプローチするのではなく、ステップメールやブログなど、間接的に接点を持ち続けるだけでOKです。時間が経過すれば、必ずこのような活動は成果をだし、顧客が生まれてきます。
失敗する原因その2:クロージングまでの道のりがおかしい
2つ目はクロージングのやり方についてです。インサイドセールスではクロージングについてどのように行うかをよく考えなければいけません。クロージングまでオンラインで行うか、クロージングだけは対面で行うかは取り扱う商材によっても違います。
インサイドセールスはどこまでオンラインでアプローチするか、個々の企業が独自に決定する必要があります。大まかに分けると3つのパターンがあります。
- リード獲得からクロージングまでオンラインで完結
- リード獲得から商談まではオンライン、クロージングは対面
- リード獲得はオンライン、商談・クロージングは対面
このように、自社はどこまでをインサイドセールスで行うのかをはっきりと決めなければなりません。
対処法:営業フロー全体の見直し

対処法としては、どこからどこまでをインサイドセールスにするかという営業フローを見直します。インサイドセールスを取り入れたからと言って、全てオンラインや対面なしに完結しなければならないということはありません。
最終的な契約については対面で、というのも一つの選択肢です。たとえクロージングが対面になったとしても、リード獲得や商談についてはインサイドセールスで効率的になる可能性も大いにあります。
失敗する原因その3:商品への強烈なオファーがおかしい
3つ目の原因はオファーがないことです。オファーのないインサイドセールスは成功確率が下がります。必ず何らかの強烈なオファー、アポイントしてきた営業マンから購入したいと思える「何か」を用意しましょう。
オンラインや非対面でアプローチするユーザーは、インターネットを使えば、すぐに会社のウェブサイトにアクセスできます。会社のウェブサイトから申し込んでも、営業を受けている営業マンから申し込んでも全く同じ、となればそれは営業マンから買う必要性がなくなります。
インサイドセールスでアプローチしている人から購入することで、大きなメリットがなければならないのです。
対処法:アピールできるオファーを作る

この件については対処法は簡単でアピールできるオファーを作りましょう。例えば10%割引のような単純なものでもいいですし、1ヶ月のお試し期間を設けるなどでもいいでしょう。
自社のウェブサイトから購入した場合にはない、強烈なオファーを作りましょう
まとめ:インサイドセールスに乗り遅れずにノウハウの蓄積を
インサイドセールスについては新型コロナウイルスのこともあり、まず間違いなく必要な手法になってきます。非常に変化の激しい時代で、乗り遅れてしまえば大きな損失になるでしょう。
反面、まだ事例がさほど多いわけではありませんので、試行錯誤が必要になります。早めにこの波に乗り、インサイドセールスに関する自社のノウハウを蓄積することをおすすめします。