パソコンを操作する男性

私はウェブデザイナーを養成する職業訓練校で非常勤講師を行っております。デザインに関する基本とPhotoshop・Illustratorの使い方、及び実際のウェブサイト制作についての指導など、幅広く担当しております。

職業訓練以外にも個人的にウェブ制作を見ていた若者もいたりしましたが、ほとんどがウェブ業界が初めての方ばかりでした。100人を超える未経験の方々と出会い、指導させていただいた経験から、ウェブ業界で働きたいと少しでも思った皆さんに、私からアドバイスできたらと思います。

ウェブ業界は専門職の集まりです

ウェブ業界はウェブデザイナー、コーダー、プログラマーなど、基本的に専門職になります。自分は何が専門なのか、自分はどのような部分で他の人より優れているのか、どの部分なら仕事に貢献できるのかを考えましょう。

ウェブサイトを制作する上ではいくつもの役割があります。

  • お客さんから仕事をとってくる「営業」
  • お客さんと打ち合わせを行い、制作に落とし込む「ディレクター」
  • ウェブサイト・アプリをデザインする「デザイナー」
  • デザインを実際のウェブサイト・アプリに変化させる「コーダー」
  • ウェブサイト・アプリに機能を実装する「プログラマー」
  • ウェブサイトからの集客や売上を上げる「ウェブマーケター」

細かく分ければ他にもあると思いますが、上記のように専門で分類されています。

自分がどれに向いているか、どこに特化すべきかはやっていくうちにわかっていきます。ウェブデザインの講義を受ければ幅広い内容を学べます。その中から「これが向いていそう」というものを見つけ、「これが得意です」と言えるようになりましょう。

自ら学ぶ姿勢を身に着けよう

専門職として必要なものは「スキル」です。スキルがない方はウェブ業界で活躍するのは難しいでしょう。

ではどのようにスキルを身につければ良いでしょうか。その答えは「自ら学ぶ」です。

一般的に未経験の方が入ってきたら、手取り足取り教える業界のほうが多いと思います。飲食店だったら料理の作り方を教えたり、営業だったら同行してくれてOJTで教えるかと思います。大手だと研修を施してくれたりもします。

しかしウェブ業界は原則自ら学ぶ必要があります。なぜなら、学ぶべき教科書・スキルについてはそこら中にたくさんあるからです。この知識は先行してウェブ業界で活躍している先輩たちが残していったものです。本もありますし、インターネットには無料で学べるサイトもあります。

その他にも最近ではYou Tubeでも多くの先輩がツールの使い方を紹介していますし、コーディングの効率的な方法なども紹介しています。

「自分で調べるのがめんどくさい、人に聞けば早い」と考えている人も多いかもしれません。しかしウェブ業界では自主学習できるというのが大前提となっています。自主学習をせず、自ら調べなければ、わからないことを先輩に聞いても教えてくれません。

ウェブ業界に行くなら、必ず自主学習をくせづけましょう。

横のつながりを作っておこう

ウェブ業界は専門職です。専門職ですが、一つのスキルだけではウェブサイトを制作して納品することはできません。

一人ですべてのスキルを身に着けてサイト制作を行うこともできます。しかし、幅広く学んでくると得意・不得意というのが別れてくるかと思います。

  • Photoshopがあんまりわからない・使えない
  • コーディングが苦手、CSSが苦手
  • Javascriptがさっぱりわからない

そこで、様々な横のつながりを作っておきましょう。できれば対面で会える交流会などで横のつながりを作るのが良いですが、SNSでウェブデザイナーやコーダーの方と繋がっても良いでしょう。SNSの中ではTwitterが一番ウェブ系のユーザーが利用しているかと思います。

自分が苦手としている部分は他の人におまかせできる、そんな関係性を作っておくと必ずプラスになります。

前職の経験を最大限に活かそう

「自分の得意な部分がわからない」という方も少なくないでしょう。私が教えているクラスは20人いますから、周りと比較して「私はできない」と思いがちです。

そこでおすすめの方法は「前職の経験を活かす」ことです。前職で営業をしていた、接客をしていた、飲食店で店長をしていた、様々な経験を皆さんしています。これらの経験とウェブ制作・開発の技術を組み合わせれば、他に負けない独自性の高いキャリア歩むことができます。

  • ウェブ × 営業 = ウェブ制作について細かく説明でき、ディレクションもできるディレクター兼営業マン
  • ウェブ × 接客業 = ECサイトで「ウェブ接客」を考えられるウェブデザイナー
  • ウェブ × 飲食店店長 = マネジメント経験を生かしたウェブディレクター
  • ウェブ × 事務員 = ウェブサイトの更新もできる事務員

ウェブデザインやコーディングだけを長年している人にはいきなりウェブ業界に入っても太刀打ちは難しいでしょう。しかしウェブの知識・ノウハウと今までの経験を活かせば、差別化が可能です。あなただけのキャリアを見つけてください。

フリーランスになるのはお客さんがついてから

ウェブ業界を目指す人の中には「フリーランスで働く」ことを考えている人は少なくありません。職業訓練で教えていても、おおよそ10~20%の方がフリーランスになりたい、と考えています。

私はフリーランス反対ではありませんが、フリーランスの成り方については一言アドバイスしています。それは「いきなりフリーランスになるのではなく、お客さんを捕まえてからフリーランスになろう」というものです。

例えばスナックやラウンジ、クラブで自分のお店を持って独立する女性は少なくありません。彼女たちが自分のお店を持つときに、いきなり自分のお店をオープンさせる人はほとんどいません。ほとんどがどこかのお店で働いて、お金をためて、お客さんに知ってもらってから独立します。そうすればオープンすれば顔なじみのお客さんが来てくれ、売上が見込めるからです。

ウェブのフリーランスも同じです。いきなりフリーランスになることはできますが、そこから売上を増やしていくのは至難の業です。ランサーズやクラウドワークスのような仕事を受注できるサービスもありますが、受注競争は非常に激しいものになっています。実績があり、提案力もあり、何度もクラウドソーシングで仕事をしていた競争相手に勝てる可能性はどの程度でしょうか?

だからこそ、フリーランスになるなら、まずは実績をつけて自分にお客さんをついてからにしましょう。かくいう私も、何もなくフリーランスになり、独立3年は食べていくことができませんでした。みなさんには私みたいになってほしくないと思います。

まとめ:ぜひウェブ業界を目指してください

ウェブ業界を目指している方に少しでも役に立ったらと思い、いつも講師をしているときに思うことなどをまとめました。個人的にウェブ業界を目指す人が多いのは悪いことではないと思っています。もっとウェブサイト制作や開発など、Web・ITのことが分かる人が増えれば、営業や事務なども効率よくなっていくことかと思います。

ぜひウェブ業界を目指してください。職業訓練でも有料のスクールでも良いと思います、まず一歩踏み出すあなたを応援しています。