
リスティング広告・アドネットワーク、SNS広告や動画広告に純広告…様々な広告がネットにはあります。デジタル広告の種類は多いですけれども、広告を出稿する際には切っても切れない「手数料」というのが存在します。Yahoo!のトップに掲載するときもリスティング広告の運用をお願いするときも、必ず必要になります。
デジタル広告においては4大メディア(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)の広告手数料以上に気をつける必要があるでしょう。
アドフラウドに含まれる広告費の無駄な消費
なぜデジタル広告はテレビや新聞などで広告を出す以上に手数料に気をつけなければいけないのでしょうか?下記は「広告詐欺大国・日本、インプの81%が該当との調査結果:アドフラウドの国際的状況を示す4つのグラフ」に書かれている一文を引用したものです。
デジタルアドフラウドは、手を変え品を変え行われている。たとえば、有名な広告詐欺スキーム「メスボット(Methbot)」の手法を真似たクリックファーム、ボット、ドメインなりすまし。パブリッシャーの広告在庫を転売して利ざやを稼ぐ行為や、広告を目に触れない位置やサイズでこっそり表示させる手法。さらにヘイトスピーチ、テロを称賛するコンテンツ、フェイクニュースなど、広告主のブランドにとってふさわしくないコンテンツの隣に広告を表示させる手口までもがある。こうした詐欺に気づかず、広告費を無駄に支払っているマーケターが後を絶たない。
デジタル広告におけるアドフラウド(広告詐欺)についての説明ですが、アドフラウドの一種に「パブリッシャーの広告在庫を転売して利ざやを稼ぐ行為」があります。つまり「広告費を無駄に支払ってしまう」ことはアドフラウドになるわけです。直接的にデジタルアドフラウドに入るわけではありませんが、広告手数料を必要以上に多くとることはアドフラウドであると指摘される可能性があります。
例えば100万円の広告予算をもらったときに、10万円の広告運用手数料を頂く場合と30万円の広告運用手数料を頂く場合では、広告費が全く変わってきます。できることも広告運用手数料をどれだけとるかによっても変わります。crimtanは月額50万円から利用可能ですが、ギリギリの広告予算しかない場合は広告運用手数料によって、使えるデジタル広告も左右されることにもなります。
デジタル広告はクライアントがいつでもアクセスできるようにすべき
2017年に電通が起こしたデジタル広告の不正請求事件では、実際にネットに広告を出稿せずに広告費を請求していました。広告を出すための広告費をそのまま手数料としていたわけです(参照)。こういった事件が起こらないようにするために必要なことは、デジタル広告に関する数字をきっちり明示すべきでしょう。
例えばダッシュボードのアクセス権を渡すという方法があります。セカンドチャンスで行っている広告運用は原則としてクライアントのアカウントにアクセス権限を頂いて、運用を行います。こうすればクライアントは自分のアカウントにアクセスするだけで、運用成果を見ることができます。
逆にレポートを毎回提出するとしても、クライアントがダッシュボードにアクセスできなければ、いくらでもレポートを改ざんすることができます。弊社はそういったことはまずすることはありませんが、電通の事件の例もありますのでデジタル広告の成果についてはクライアントがいつでもアクセスできるようにするのが誠実だといえるかと思います。
広告費の利用割合についてもわかるようにすべきです。手数料をはっきりと明示しないとしても、CPMがどのくらいなのか、CPCがどのくらいなのか、それがわかれば他社と比較することができます。そうしてクライアントはより効率の良い運用をしてくれる代行業者を探すこともできるでしょう。もちろん広告手数料をセカンドチャンスのように20%とはっきり明示しても良いと思います。
アドフラウドにならないための広告手数料
結果的に広告手数料はいくらならOKで、いくらならダメという線引きをすることは難しいと思います。リスティング広告の運用などであれば、相場は広告費用の10~20%だと思います。その程度であれば、広告出稿において大きなマイナスになることはないでしょう。
やってはいけないことはクライアントの広告費を削り、広告の目的を達成できなくなるほどの広告手数料を取ることです。広告費をもらっていながら出稿しないのは大問題ですが、アドフラウドの問題もありますので手数料についても注意を払うべきです。でなければ、デジタル広告の業界に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
運用企業がそれぞれ気をつけるべき問題ではないでしょうか。